【1】人や地域のつながりで安全・安心なまちづくりを推進
~その1 防犯対策~ (2012年9月)
2010年、杉並区は今後10年間を見えた杉並のグランドデザイン(将来像)を描くための新たな基本構想を策定するにあたり、区民へのアンケートを行いました。
そこで、「大切にしたい杉並区の魅力」として「治安」と答えた人が、街並みや景観、福祉・保健サービスの項目をおさえ最も多い結果だったのはご存知でしょうか。
遡ること7年前の2003年7月、杉並区は危機管理室を設置し、同年8月には警察官OBによって構成される「杉並区安全パトロール隊」を発足させ、犯罪被害に対応する活動を開始しました。
また地域に根ざす防犯自主団体も次々に立ち上がり、現在区内には170余の防犯自主団体が結成されています。
私も2009年から阿佐ヶ谷青少年育成委員会が実施している防犯パトロールに何度か参加しており、杉並第一小学校や杉森中学校の保護者の方とも一緒に阿佐ヶ谷地区を巡回していますが、残念ながら人手不足の感が否めない状況です。
また、20歳代から50歳代、いわゆる現役世代の参加が少ないのも大変
気になります。
育成委員会のパトロールの実施日や時間が、働く世代にとって参加するのが 難しいことは否めませんが、一部のボランティアの方だけで実施するのではなく、もっと多くの方に参加してもらえる、協力してもらえる環境整備が必要です。
そのためには当該案件を議会で議論し、区政に反映する必要があると考えます。
更には、馬橋地域で活動されている「ご近所付き合い広目隊」や本天沼地域の「巡回安全パトロールステーション」など、安全・安心なまちづくりを推進するモデルケースが区内には随所に見られます。
直接パトロールに参加するのは難しくても、地域の人同士がパソコンや携帯電話のメールで情報交換しながら、無理なく協力しあって活動している団体もあります。
地域に密着した、きめ細やかな防犯活動を一層推進していきたいと考えています。
~その2 交通安全~ (2012年11月)
街を歩いていて気になること。それは、私の感覚であれば「なんと無謀な人たちがたくさんいるのか」ということです。
例えば、歩道を歩いていると横を猛スピードで通り抜ける自転車。
信号が青に変わって横断歩道を渡り始めると、信号の変わり目に無理やり交差点に進入してくる車が接近…。
こちらが交通ルールやマナーを守っていても、一つ間違えば事故につながる体験を幾度となくしてきました。
残念なことではありますが、交通ルールが守られない一つの理由として、道路交通法違反はあくまでも現行犯に対しての検挙であるため、誰も見ていないからいいだろうという考え方が蔓延していることにあると考えます。
だからと言って、規則やルールを守らない人たちへの罰則を強化したところで事故は絶対に無くならないでしょう。
私は、交通ルールを守ることは、とてな大切なことだと思っています。
しかし守っているだけでは事故は防げません。
一番の交通弱者である歩行者だけでなく、自転車を運転する人、バイクや自動車の運転手も「危険を予測し回避する能力」を備える必要があると思います。
その中でも特に子供たちを事故から守るために、杉並区のホームページに掲載されている「親子の交通安全」について以下に抜粋でご紹介します。
<幼児(6歳未満)の交通事故の特徴>
幼児が保護者の後について一緒に道路を横断しようとして、車に轢かれてしまう事故が発生しています。
横断中は幼児から目を離さず常に周囲の状況に注意してください。
また、車道を挟んで反対側にいる幼児に声をかけると、保護者の存在に気づいた幼児が夢中で道路を横断してしまうことがあります。
安全のために、状況によっては幼児に声をかけないことも大切です。
<児童(6歳以上13歳未満)の交通事故の特徴>
児童の交通事故で最も多いのは、自転車走行中は交差点手前で安全確認をせず進入し、出会い頭に衝突するケースです。
また、歩行中は「飛び出し」によるものです。
友達と通行中におしゃべりしたり、夢中になって追いかけっこをして、周りの状況を見ずに車道に入って車と衝突したりするなど、不注意が原因となっていることが多いのが特徴です。
道路では「一度止まってから、右・左・右・後ろ」を見て安全確認する習慣を身につけられるように、日頃から家庭の中でも注意を促しましょう。
<子供が自転車に乗る際は、ヘルメットを着用させましょう>
児童・幼児(13歳未満の子供)の保護者は、児童・幼児を自転車に乗車させるときは、自転車用ヘルメットをかぶせるよう努めなければなりません。万一の転倒・衝突による頭部損傷を防ぐため、ヘルメット着用は大変有効です。
区では年に2回(10月と3月)、区内事業者の協力を得て子供用ヘルメットのあっせん販売を行っています。
~その3 街の景観・美化~ (2013年3月)
杉並区では、路上禁煙地区(JR西荻窪駅、荻窪駅、阿佐ヶ谷駅、高円寺駅、西武新宿線上井草駅、京王井の頭線高井戸駅)で歩きたばこや吸い殻等のポイ捨て行為をした者に対し、「安全美化条例」に基づいて2千円の過料を科すことにしています。
また、区の環境部環境課生活環境担当では過料について路面に表示させたり、「歩きたばこ・ポイ捨て禁止」のステッカーを区内随所に掲示したりしています。
しかし、あまり効果があるとは感じていません。
それが証拠に、平成24年度・杉並区事務事業評価表を見ると、路上禁煙地区における喫煙防止指導件数は平成21年度から23年度までの間、それぞれ3,821件、3,969件、3,384件と3年連続3千件を超えています。
また総事業費は8千万円、6千万円、4千万円と、年度ごとに減少してきてはいますが、行政の力だけで街をきれいにしていくのはできていません。
その一方で、地域清掃活動には、ここ数年毎年度1万人を超える方が参加し、平成23年度はこれまでで最多の178団体1万6千名強の方々が参加して区内の道路や公園を清掃しており、行政よりも地域が率先してきれいな街並みをづくりっていると言えます。
景観を良くする、街を美化するということに対して、否定される方はほとんどいないと思います。
しかし、毎年数千万円の費用が一般財源から捻出されていますので、その費用を削減する一方で、指導件数も劇的に減少させる方法を編み出さなければなりません。
そこで私は、こうした美化にご協力いただける団体や個人が、過料徴収を含め、安全美化条例を違反した者に対して行政指導ができる仕組みができないかと考えています。
地域のことは地域で解決するためにも、区から権限を委任された方々によってモラルの醸成が期待できると思います。
自分たちのことは自分たちで決め、行動する、行動できる街づくりを、
私は進めていきます。
文責 生田なおふみ